ブロンドの恋 ブロンドの恋
ハナ・ブレチューバー (2004/04/30)
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チェコの地方都市。
靴工場の女工たちと人民軍の中年兵士たちとのお見合いパーティで アンドラはピアニストのミルーダに恋をし 彼の住むプラハまで追いかけて行った・・。


監督:ミロス・フォアマン
出演:ハナ・ブレチューバー
    ウラジミール・プホルト
    ウラジミール・メンシーク


今から 40年も前の作品です。
ジャンルはコメディとなっていますが 何とも言えない悲哀が漂うコメディで 「アマデウス」「カッコーの巣の上で」「マン・オン・ザ・ムーン」などのミロス・フォアマン監督のチェコスロバキア時代の秀作です。
ミロス・フォアマン監督らしい人間追求への深いこだわりを感じられて ハリウッドに拠点を移してからの華々しい作品の原点のようにも思える雰囲気を持った作品です。

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とにかく前半の合コンまでのシーンはひたすら可笑しいです。
戦争で若い男性が居なくなってしまったチェコのとある地方の町には 2000人もの女工が働く靴工場があります。
こんな状況では女工たちが町を出て行ってしまい工場も成り行かなくなるのでは・・と心配した気の良い工場長たちは ある名案(迷案?)を思い付きます。

それは人民軍の兵士たちに町に立ち寄ってもらい お見合いパーティー(合コン?)を開くというもの。
案外これで事が上手く運ぶと 女工たちはお気に入りの兵士と一緒に町を出て行ってしまう・・という危険も孕んだ計画ですが そこは気のいい工場長、女の子たちが不憫で堪らず思い切って計画を断行したのです。

そして寒風の吹き荒れる町に到着した大勢の人民軍の兵士達・・。
行進する人民軍の兵士たちの姿に目を凝らすと、何だかダルそうな活気のない様子。
その体型もどうみても中年体型の疲れた軍団!?
何と、女工たちがおめかして楽しみに待っていた人民軍は 予備軍と言われるような 妻子持ちが殆どの冴えない(失礼〜)中年のおじさんばかりじゃありませんか!?
女工さんたちと同じ気持ちでカッコイイ軍服の若い兵士たちを待ち侘びていた私も ここで思いっきりガックリっ!(笑)

それでもお見合いパーティーの会場には あわよくば若い女の子たちと一夜のアバンチュールを・・・と 虎視眈々と獲物を狙っている中年の油ギッシュな?いや、エネルギッシュな視線が氾濫しています。
女工たちも立場上、あまり素っ気無い態度もとれず苦笑い。
その中でも 特に可愛いアンドラたち3人組の女工たちは すでに気持ちはバンドのイケメンのピアニストに向いています。
しかし 俺達は歓迎されている・・と思いっきり勘違いしている中年のオジサン兵士たちの作戦会議は どのテーブルでも滑稽でもあり哀れでもあり・・(淋笑)

ついにアンドラたちに声を掛けたオジサンたち!
あらら・・行っちゃって、やっちゃったよ・・状態で 最初からその気のないアンドラたちは 何とか誤魔化してトンズラです!(笑)
オジサンたち またしても哀れ・・(v_v)

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その時、アンドラは例のピアニストのミルーダに声を掛けられ 強引に部屋に誘われます。
まんざらでも無いアンドラは 結局ミルーダと一夜を共にするのですが ベッドインまでのミルーダの慌てぶりもコントのようで笑えます。
すっかりミルーダを運命の人と思い込んだアンドラだけど 果たしてミルーダはどうなの!?

ここまで前半かなぁ〜、ホント楽しませてもらいました。
この映画が製作された頃のチェコスロバキアといえば 直後のチェコ事件から想像も出来ないような「プラハの春」を謳歌した自由で開放的なムードがいっぱいです。
滑稽なほどに兵士達をこき下ろす様な描写があったり 若者の性に対する感覚を赤裸々に描いたり 当時のチェコスロバキアにはまだ庶民にも文化にも大らかさがあったのだと知らされます。

そして後半はアンドラに注目です。
ミルーダとの一件で 今の恋人の身勝手さにうんざりしたアンドラは 楽団の公演で全国を旅するミルーダの「プラハにおいでよ」という言葉を信じて 彼の実家へ一人向います。

そして夜のプラハに一人バスから降り立ったアンドラは泊まる場所もなく途方に暮れ、思い切ってミルーダの実家のドアを叩きます。
中では ミルーダの両親が怪訝そうにアンドラを迎えるのですが・・。
自慢の息子に彼女が出来たから さぁー大変!
大体 いきなりボーイフレンドの実家をこんな深夜に訪ねてくる女の子って どうなの?!とミルーダの母親はご機嫌ナナメ(^^;)
そうは言っても・・とちょっと同情的な父親と口煩い母親とのやり取りも滑稽で可笑しい。
私の歳なら母親の気持ちも分るけど アンドラの気持ちも分らないでもない!?
とにかくアンドラが気に入らない母親は 父親とアンドラを前にいつ終わるとも知れない小言を延々とまくし立てます。
それに疲れた二人は いつしか居眠りです、笑えます!

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何も知らず またナンパを繰り返し お気楽な表情で戻ってきたミルーダは 自分のベッドに眠るアンドラを観てびっくり仰天!!
あぁ、やっぱりコヤツはいい加減で不実なナンパ師だとバレバレのシーンです。
アンドラ、可哀想〜〜(苦笑)
そこから何が起きるかと言うと ミルーダはアンドラをなだめる振りをしながら 結構冷たい言葉を平気で言ってます、この戯けものが・・。(喝っ)
おまけにアンドラを心配するどころか 近所の目が気になる母親は 自分達の寝室にミルーダを呼び付け、親子3人で川の字で寝る始末、永遠に続く母親の小言を聴きながら・・。
アンドラは両親と言い合いをしているミルーダの身勝手な言い訳に愛想を尽かし・・・。

その後、アンドラは寮に戻り 友達に言った言葉が「素敵なお母さんだったわ」ですって!
彼女の気持ちや如何に・・ですね。

オープニングは女工の一人の女の子のすっ呆けたギターソングで始まり、ラストは「アヴェ・マリア」で叙情的な幕引きです。
チェコ版ヌーベル・バーグ作品とも表される作品だそうですが 確かにモノトーンの画像にほろ苦い青春の痛みを載せた映像は ラストに近付くに連れ、確かにヌーベル・バーグの香りに溢れています。
前半のライトなコメディから 後半の切なさも漂うせ青春ドラマまでの流れに 監督のテクニックを感じます。
日本未公開の隠れた秀作ですね、DVDリリースありがとう!

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

 

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