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にがい米 ヴィットリオ・ガスマン (DVD - 2007)

監督:ジュゼッペ・デ・サンティス 
製作:ディノ・デ・ラウレンティス 
原案:カルロ・リッツァーニ 
撮影:オテッロ・マルテッリ 
 
出演:ヴィットリオ・ガスマン 
   ラフ・ヴァローネ 
   シルヴァーナ・マンガーノ
   ドリス・ダウリング


宝石強盗を働いた男女ワルテル(ヴィットリオ・ガスマン)とフランチェスカ(ドリス・ダウリング)は 警察の追及から逃れる為に フランチェスカに宝石を託し、田植えの出稼ぎ労働者の中に紛れ込んだ。
その集団の中のシルバーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)は フランチェスカの様子に疑問を抱きながらも彼女に近付いた。
正規のパスを持たないフランチェスカに そこで働けるように口を利いてくれたマルコ(ラフ・ヴァローネ)はシルヴァーナに一目惚れ、そのマルコを頼もしく思うフランチェスカ、そこに現れたワルテルに惹かれるシルバーナ・・・と4人の気持ちは複雑に絡む。
盗んだ宝石が偽物だったと知ったワルテルは シルバーナの自分に対する気持ちを利用して 今度は収穫した米の強奪を計画する。
真実を知ったシルバーナのとった行動は・・・

イタリア映画の中で 昔の田植え作業を観る事は なんだか不思議な感じでした。
この感覚は もちろん私の無知から始まったことだけれど それにしてもイタリアの田植えは力強くて明るくてビックリ!。
映画を観た限りでは 昔の日本の田植えの作業となんら内容は変わらない感じですが そこで働く人々の生命力に溢れた力強さと漲るパワーが画面から溢れそうな印象でした。
当時のイタリアでは 毎年田植えの時期になると 大勢の出稼ぎ労働者が農村に集まってくる。
その中でも 大勢の若い女性たちが水に浸かった田んぼに入り 厳しい日差しの中で 男性たち同様 一日中田植えの作業に肉体を酷使しながら働く姿は本当に頼もしくて力強い!
イタリア流肝っ玉母さんは ここで育まれていたのか・・・などと想像を逞しくしてみたり。

この作品はその農村を舞台に 強奪された宝石と米に絡んだ4人の男女の欲望の悲しい顛末を綴った物語です。

同じ時期に作られたルキノ・ヴィスコンティの「揺れる大地」などもそうですが 舞台となる現地の生活をリアルに捉え、現地の人々も活用し、それによって戦後の不足した機材や費用をカバーしながら この作品のようにドキュメタリーの部分とドラマを融合させて成功した作品は数々あったようです。

その貧しい人々の汗の匂いと陽気な笑い声をバックに このドラマは生きる逞しさと同時に 時代に抗えない若者のやるせなさを観るようで 切なさが残るものとなりました。

↑の画像にあるシルヴァーナ・マンガーノの健康的な肢体が眩しい〜と当時の男性ファンは目を奪われたそうですね。
映画の中でも 屈託の無い彼女はの笑顔、踊り、健康的な美しさを惜しみなく披露しています。
だからこそ このラストは尚更 憐れで切ないのかも。

またフランチェスカを演じるドリス・ダウリングが知的な大人の魅力を感じさせて 私は好きです。
他の作品でも是非観てみたい女優さんです。

そして 軟派で軟な男の代表であるヴィットリオ・ガスマンと 硬派で骨太な男の代表であるラフ・ヴァローネの対比も見逃せない。
どちらも素敵で 本当に迷ってしまいそう。(←何が?)

出稼ぎの女性たちの中には年配の女性も多いし、乳飲み子を背負って出稼ぎに来ている逞しい母親もいます。
彼女たちが 数十日に及ぶ労働の中で稼ぎ出すものは 彼女たちが育てた「米」そのもの。

ワルテルたちが盗んだ宝石も 男女の移ろい易い情の世界も その「米」の重みに比べたら 何と儚いものだろう。
ここでもまた ネオレアリズムの真髄を観る事が出来ました。
 

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