![]() | リード・マイ・リップス エマニュエル・ドゥヴォス、ヴァンサン・カッセル 他 (2004/04/23) メディアファクトリー この商品の詳細を見る |
監督: ジャック・オーディアール
脚本: ジャック・オーディアール
トニーノ・ブナキスタ
撮影: マチュー・ヴァドピエ
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演: ヴァンサン・カッセル
エマニュエル・ドゥヴォス
オリヴィエ・グルメ
オリヴィエ・ペリエ
オリヴィア・ボナミー
カルラは建築会社で働く真面目なOL。
いつもテキパキと仕事をこなす彼女だったが 難聴のために 十分な仕事は与えられず 雑用ばかりの日々だった。
そんな多忙な彼女の仕事を補佐する人物を雇う事になる。
職安から派遣されてきた男は 刑務所から出所したばかりの保護観察付きの若い男だった。
オフィスの仕事には縁のなかった男ポールは 戸惑いながらも彼女の指導を受け働きはじめた。
カルラは その粗野なポールに 言い知れぬ興味を掻き立てられていた。
一方ポールも カルラの特殊な才能である読唇術を知り ある犯罪に利用することを思い付く。
こうして二人の危険な関係は スリリングな展開の中で 大きく揺さぶられて行く。。。
さしずめ、この作品が50年前のフランス映画だとしたら ヒロインはジャンヌ・モローであり 危険な香りのするハンサムな男はモーリス・ロネあたりが演じていただろうか・・・
そんな事を思いながら観ていました。
耳が不自由で 決して美人とは言えないカルラが 自分の助手を求めて職安に行き 清潔で小奇麗な男性をリクエストするところが そこで初めて女としてのカルラを覗かせる 生々しいシーン。
そして現れた男は カルラの要望とは対極の ムショ帰りのワイルドなポールだったのですが 俄然 カルラはこの男に興味を掻き立てられるのです。
自分が守って上げないと ポールはやっていけないだろう〜と そんな気持ちでポールと接するうちに 女のエゴでポールを振り回すような素振りを楽しんだりもするカルラ。
彼を利用して 盗みや脅迫を強要させたり 友達に見せびらかすようにポールを連れまわしたり カルラの一人よがりが丸見えです。
この辺りが 直接的なラブシーンは最後にちょっとだけあるだけなのに 妙にエロティックな雰囲気が漂う画面なんです。
しかし ポールも決してされるがままではなく 彼女の心を上手く掴んで 一緒に危険な犯罪を成功させるというテクニックを見せ付ける。
そう、この作品は犯罪を描いたサスペンスであると同時に この主役の二人の 濃い目のエロティックさが作品に深みを与えているような気がします。
と、ストーリーはこれでは終わりません!
ここからが 本当の「リード・マイ・リップス」のタイトルが生きてくるシーンなのですが・・・
犯罪に利用したカルラの読唇術は たかだかしれたものです。
しかし 最後にポールの保護観察官であった人物の唇を 走る車の中から読み取るカルラ。
その時 彼女の口唇からこぼれた言葉こそ この映画の持つ色彩と感覚を 上質のフィルムノワールにと仕上げた最高のエッセンスとなったのです。
これによって かなり満足度の高い作品となりました。
エマニュエル・ドヴォスとヴァンサン・カッセルのコンビは ベストマッチだったと思います。
