離愁離愁
(2005/02/02)
ジャン=ルイ・トランティニアン、ピエール・グラニエ=ドフェール 他

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監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:ピエール・グラニエ=ドフェール 
   パスカル・ジャルダン
撮影:ワルター・ウォティッツ 
音楽:フィリップ・サルド
 
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン 
   ロミー・シュナイダー
   モーリス・ビロー 
   アンヌ・ヴィアゼムスキー 
   ニケ・アリギ 
   ポール・ル・ペルソン 

1940年、ドイツ軍の攻撃から逃れるため ジュリアン(トランティニャン)は 臨月の妻と娘を連れて列車で逃亡した。
妻と娘は客車に乗ることが出来たが ジュリアンは貨車に乗せられた。
その貨車には やはりドイツ軍の手から逃げるユダヤ人女性のアンナが居たが 二人は一目で惹かれ合うものを感じていた。
たくさんの避難民で混み合う過酷な貨車の中で いつしか愛し合うようになった二人。
危険な旅も終わり、身元調査もジュリアンの機転で難を逃れたユダヤ人のアンナだった。
やがて妻が出産した病院に行くジュリアンに同行したアンナは そこでそっと姿を消した。
数年後 警察に呼び出されたジュリアンは アンナと劇的な対面を果たすことになる・・・


死や絶望に類する事態に直面した時、男は口唇に微笑を浮かべながら しかも潔く女への「愛」を選びました。
愛する男の為に精一杯の演技で他人を演じた女は 男の勇気に満ちた確かな「愛」を受け止めた瞬間、込み上げる感動の渦の中で 粉々に崩れ落ちる理性もろとも自分の「愛」も止めることが出来ないほど、心の震えが止まらなかったのです。
感動的なラストです!
貨物列車の逃亡も いつドイツ軍の無差別攻撃を受けても不思議ではないほど危険なものでした。

狭い貨車の中に大勢の人間が詰め込まれる様は そこに人間の尊厳などあろうはずもありません。

しかし そんな状況下でも様々な「愛」は生まれるのです。

そしてここでも 妻子あるフランス男と逃亡中のユダヤ人女の寡黙な二人の間に 運命の激しい恋が生まれていました。

真面目で正義感の強い寡黙な男ジュリアンだからこそ、妻子を想いながらも 同時に不幸な美女アンナの行く末をも思わずに居られなかったことを 誰も責められはしません。

アンナも孤独な逃亡生活の中で 運命的に巡り会えたジュリアンに しばしの間自分を委ねる悦びに浸っていたとしても それも責める事は出来ない。

しかしそれは お互いも十分に理解している期限付きの感情であって 彼が妻子の元に戻るタイミングに 自分の為すべき行動をとるアンナの潔い行動は切なさに溢れています。

それを知ったジュリアンの喪失感と切なさも・・・。

だが、その切なさは決して消えることなく二人の心で生き続けていくのです。

それが ラストの感動的なシーンへの導火線だったことは言うべきもありません。

ユダヤ人とばれてしまい、警察に捕らえられたアンナを 知らない、赤の他人だ、と突き放せば ジュリアンのその後の生活は無事に続いていったかもしれない。

ジュリアンに迷惑を掛けまいとするアンナは 愛する人への懐かしさを必死で封じ込め、虚勢を張り続けようとするが ジュリアンの差し伸べる手の温もりに驚きながら 自分のジュリアンへの感情を抑えきれなくなっていく・・。

この時のトランティニャンとロミーの演技は まさに二人にとって一世一代の名演技です!

そして 命よりも愛に生きた・・と言ってしまうには 余りに複雑な感情が交差して、果たしてこのラストは「感動的」という言葉で締めくくっていいのかどうかと考え込んでしまうけれど この映画のラストを「運命的な愛」として捉えるならば これ以上切なく息苦しいほどの感動に心を締め付けられる作品もそうはないでしょう。

そんなラストシーンもあって この作品は私の中の名作となりました。

トランティニャンとロミー・シュナイダーというキャスティングも素晴らしいです・・。

このラストは観て感じるしかない!(笑)

ようやくのDVD発売、待ち焦がれた方々に幸あれ・・・

 

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