肉体の冠肉体の冠
(2003/03/04)
シモーヌ・シニョレ、セルジュ・レジアニ 他

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監督:ジャック・ベッケル 
脚本:ジャック・ベッケル
   ジャック・コンパネーズ 
撮影:ロベール・ルフェーヴル
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス
 
出演:シモーヌ・シニョレ
   セルジュ・レジアニ 
   クロード・ドーファン 
   レイモン・ビュシェール
   ウィリアム・サバティエ

19世紀末のパリ。
娼婦マリイは マルヌ河で仲間たちと舟遊びしていた。
情夫ロランに嫌気がさしていたマリイは 岸辺のカフェで仲間のレイモンの友人である大工のマンダと出逢い 二人は一目に恋に落ちてしまった。
それに嫉妬したロランは マンダに喧嘩を仕掛けるが 逆に殴り倒される。
ボスのルカにマリイとの仲裁を頼むロランだったが 内心マリイに気があるルカは 翌日酒場の裏で ロランとマンダに決闘をさせ 死闘の末、ロランはマンダに殺された。
逃げる決意をしたマンダにレイモンの手紙が届き ジョワンヴィルの知人宅に隠れることになった。
そこにマリイが訪れ 二人は数日の間、二人だけの束の間の幸せな時間を過ごした。
しかしその間にルカは マンダをおびき出すため、警察にレイモンが犯人だと密告し、レイモンはマンダの身代わりの逮捕されてしまった。
それを知ったマンダは 警察に自ら出向いたが、実はルカの謀略だと聞かされ、護送車から逃走し ルカを射殺した。
マンダは死刑を宣告され 断頭台に上がった。
マリイは 呆然とその様子を見詰めるだけだった・・。


窓の下では 愛する人が断頭台に縛られ 今にもその重くて鋭い刃が彼の命を裂こうとしている・・。
まさにパトリス・ルコント監督の「サンピエールの未亡人」のラストを髣髴とさせます・・。
シニョレ演じるマリイは その瞬間を呆然と いや果たして現実と捉えているのかどうか判断しかねる視線で じーっと見届けるシーンで終わっています。

シニョレが演じると どうしても芯の強い女性に思えてしまうけれど マリイもある意味では不敵なほど超然とした雰囲気を持つ女性です。

男たちに殴られても ビビるどころか睨み返すほどの威丈夫なマリイ。

娼婦として生きてきた逞しさと 本来の天真爛漫さがマンダへのアプローチにも垣間見られる。

少女のような笑顔を見せるかと思えば 大人の女性の艶やかな視線を投げかけることもある。

また ちょっと顎を上げ加減の気の強そうな表情や 悲しみを湛えた大きな瞳でじっと耐える健気さを見せたり シニョレの演技は本当に画面に釘付けになるほど魅力的です。

結局マンダも 魅力溢れるマリイの その押しの強い恋の駆け引きに 恩人の大工の親方や婚約者である親方の娘を裏切ってしまうのだから その意味ではマリイは魔性の女とも言えるのかもしれなのです。

つまりそれほどまでに 魅力に溢れた女性だということなのだけれど・・。 

それにしても 彼女が不本意ではあるけれど翻弄した男たちは ルカもロランも そして本命のマンダまでも皆命を落としてしまう。

何と言う悲劇だろう!

この悲劇は マリイとマンダが束の間の幸せな時間を共有した瞬間から 予定調和の如く 坂道を転がり落ちるように 断頭台への結末へ向う。

ジョワンヴィルの知人宅を訪れたマンダが 川辺の草の上でうたた寝をしているところに 舟を漕いでやってきたマリイが 一本の草を摘み 寝ているマンダの耳や頬をくすぐるシーンの艶やかなこと!

マンダの視線で見上げたマリイの顔の 光り輝くような美しさは 女神のように神々しい。

マリイとは このように男たちにとっては 天女のようであり 艶かしい生身の女であり 手元に置かずにいられない宝石なのです。

そして それは女神の嫉妬さえも呼び、この物語の中では 彼女に群がる男たちは不幸の道筋を辿らざるを得ない・・、マリイの願いとは裏腹な悲しい結末となるのです。

余談ですが マンダとロランの決闘で マンダが殺人を犯したことを警察に密告するカフェバーの男が居るのですが 彼はひょっとして同じくシニョレ主演の「嘆きのテレーズ」の水兵さんでしょうか?

あっちこっちキャスティングを調べても 分らなかったのですが・・。

どうやら あのブロンドの2枚目ぶりは そんな気がしてならないのですが。


テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

 

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