![]() | ファウンテン 永遠につづく愛 (2008/06/06) ヒュー・ジャックマンレイチェル・ワイズ 商品詳細を見る |
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ダーレン・アロノフスキー
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:クリント・マンセル
出演:ヒュー・ジャックマン
レイチェル・ワイズ
エレン・バースティン
余命いくばくもない妻イジーを救うため、特効薬の研究に没頭する医師のトミー。
そんな夫を見ながら、イジーは自分に残された僅かな時間をトミーと共に過ごしたいと心から願っていた。
しかし、そんなイジーの願いは特効薬完成のために奔走するトミーには届かない。
ある日、イジーは自らが執筆した未完の物語をトミーに手渡し、この作品を完成させて欲しいと伝える。
そこに描かれていたものは 中世スペインの騎士トマスが女王イザベルの命を受け、不死を約束すると信じられている伝説の<ファウンテン・生命の泉>を探し出す旅に出るという壮大な物語だった・・。
現在のトミーとイジーを軸に、イジーが思い描いた過去、そしてトミーが辿り着いた悟りの境地?<ファウンテン>が描かれた作品なのでしょうか・・。
トミーだかトマスだか(どっちか分らなくなってます・汗)、彼らが<ファウンテン/生命の泉>が育てた<生命の木>に辿り着いてからの映像世界は 正直言ってかなり荒唐無稽な印象があります。
そしてトミーが体現する映像を観ていると ダーレン・アロノフスキー監督の頭の中で起きている様々な規制を取っ払ったような妄想全開の世界を覗き観たようで 非常に興味深い作品でした。
いずれにしても トミーという人物の内面を感覚的に描いた作品なんだと信じ、見守った作品です。
「何度生まれ変わっても 僕は、君を失う運命なのか。」というキャッチコピーのように、最愛の女性を失う運命を受け入れられず、必死で「不死」というキーを求め続ける一人の男の姿を、3つの異なるステージの中に切々と描き出した作品。
3つのステージはそれぞれビジュアルに凝っていて 二人の愛の切なさ儚さを神秘的にまたファンタジックに装っています。
ここがね、実は戸惑うところでもあるのですが・・。(後述です)
現代のトミーとイジーの悲しみを包み込むのは白銀の世界。
彼らには イジーの死を目前にし、二人の愛を現実の中で永遠のものにしようと奔走するトミーと 残された二人の時間の中に永遠の愛を紡ごうとするイジーとの心のすれ違いが実に切なく悲しく描かれています。
個人的にはイジーの願いに非常に共感するけれども、かと言ってトミーの焦りも決して否定することは出来ません。
形は違っていても 二人の間に存在するものは同じく永遠の愛だから。
そんな中で イジーがトミーになかなか伝わらない自分の思いを書き記したのが 中世スペインの騎士トマスと女王イザベルの物語です。
そして 未完のこの物語をトミーの手で完成して欲しいとトミーに手渡す時のイジーの気持ちを思い、私の中でも様々な想いが頭を過ぎります、きっとこのシーンにこの作品のメッセージがあるはずだと。
しかし、新薬の開発に没頭するトミーにイジーの願いは届かないまま、ついにイジーは逝ってしまいます。
大きな喪失感の中にあって、そこからトミーは幾度となくイジーとの時間を回想し、またイジーの残した中世スペインの物語の中に身を置きます。
そこから 3つのステージが交差し入り乱れ、正直「??」と思考が追いつかないシーンもあったりして・・(汗)、ただ、二人の永遠の愛を軸に据えて見守り続け、やがて<ファウンテン・生命の泉・生命の木>とともに共生する術に辿り着いたことで トミーはついに物語を完成することになったのだと思います、多分(苦笑)
で、ここで上で書いた「私の戸惑い」というものに触れたい・・と言うほど大袈裟なものでは無いのですが 未来=精神の世界とも言うべき<ファウンテン・生命の泉>におけるビジュアルのことなんですが・・。
これは 現実のトミーやイジー、そして中世のトマスやイザベラの2つのステージのビジュアルとは明らかに毛色が違います。
どう観ても 今時のスピリチュアルな世界、もしくは精神世界とでも言いましょうか、ここが前述した「アフロスキー監督の頭の中を覗いた気がする」という所以なんですが、私には微妙に違和感があります。
3つのステージを改めて考えてみると いつの時代も君を失う・・という辺りからも「輪廻転生」と言う言葉が浮かんできます。
それに合わせるかのように 実際にビジュアル面では ヒュー・ジャックマンが剃髪した上に座禅を組んで宙に浮かんでいるのは ひょっとして仏教徒を意識したものなの??
が、監督の頭の中には 宗教だとかスピリチュアルだとか そういう括りを超えたところで もっと観念的な精神世界が存在するのかもしれない・・なんてね、思ってしまいました。
ここら辺りが この作品の賛否両論を呼ぶところなんでしょうね。
DVDのメイキングで ヒュー・ジャックマンが非常に真摯な態度で この作品について語っています。
それを聞いて、私も主軸は二人の永遠の愛&絆を描いた作品に変りはなく、監督がそれを3つのステージでビジュアル的に様々に挑戦してみたのかな・・と感じました。
ヒュー・ジャックマンは 演技が上手い人なのね。
改めて、あの鍛え抜かれたナイスバディ同様、演技にも隙が無いというか、演技の中に重厚で安定感のある美を演出出来る俳優なんですね〜。
かと思うと、ラブコメもセクシーにこなせるし、ミュージカルまでもね・・、多才な人です。
レイチェル・ワイズも素晴らしかったぁ〜〜
ショートカットのイジーの儚さといじらしさに胸が締め付けられたし、優雅な女王イザベルの美しさにも感動。
この二人の共演は素晴らしい出来事だったのでは??
若干の戸惑いはあったものの、ラスト、一面銀色の世界の中で トニーがイジーの墓碑に「さようなら」と別れを告げるシーンは感動的です。
様々な世界を彷徨ったトミーが ようやくイジーの思いに辿り着いた象徴的なシーンではないでしょうか。
余談ですが・・、トミーとイジーのバスタブでのラブシーンも素敵です。
官能的とはちょっと違う、切なさが胸に溢れる忘れがたいシーンです。
実はいっぱいツッコミを入れようと思った作品だったけど なんだかんだ結構感動している自分に 今更ですが気が付きました。(笑)
